先月、ある企業の管理職研修の講師をした時のことですが、管理職の方々と個別に懇談したときに感じたことがありました。
それは、管理職の方々が部下とのコミュニケーションの取り方に苦労している、悩んでいるということです!
「部下からの相談にうまく答えられない(アドバイスしても部下が満足しているような表情をしていない)。」
「日常の業務の中でどのように部下を育成していけばよいか困惑している。」
「部下が何を自分に話しているかうまく理解できないときがある。」等々・・・です。
これらの質問の原因と考えられる共通のキーワードとして、コミュニケーションの取り方を向上させることがあります。もちろん、コミュニケーション以外の部分にも原因があるかもしれませんが、まず最初に、コミュニケーションの取り方を向上させることによりかなり改善されます。
では、コミュニケーションの取り方を向上させるとはどういうことでしょうか。
私は、企業様から同様の相談を受けた場合、いつも、最初に以下のアドバイスをしています。
「部下の話や相談に対しては、話や相談の段階に応じた対応をすること!」ということです。
話の聞き方、つまり、リスニングには5段階の聞き方があります。職場では、5段階のうち3段階で対応が可能ですので、この3段階について簡単にご説明します。
第1段階 「耳」で聞く
相手の方が、ただ話を聞いてもらいたい、話をまとめるために聞いてもらいたいという場合の聞き方が、この段階に該当します。
上司の方は、この段階では、「聞き流す」ように聞くことになります。
相手の方が、この段階で話しているのに、上司の方が第2段階の「頭」で聞き、一生懸命アドバイスすると、相手の方は困惑してしまいます。また、実際上司の方もこの段階の話を「頭」で聞いてしまうと疲れてしまうと思います。
第2段階 「頭」で聞く
相手の方が、答えを求めている場合の聞き方が、この段階に該当します。
上司の方は、考えながら聞くことになります。
相手の方が、この段階で話しているのに、上司の方が第1段階の「耳」で聞き、聞き流すように、「あ!そう!」などと返事をしてしまうと、相談に乗っていない、理解してくれない、はぐらかされた、逃げた、頼りにならない上司という認識を持ってしまいかねません。
第3段階 「心」で聴く
相手の方が自身の気持ちを分かってもらいたいとき、共感してもらいたい場合での聞き方が、この段階に該当します。
上司の方は、耳、目、心を総動員し、心を動かして聴きます。
聴く際は、相手の話の内容にマイナスの考えを持たず、相手の気持ちがわかるまで聴きます。
このように、管理職・上司は、部下の話が、3段階のどの段階の話なのかを理解し、個々の段階に応じた対応をすることが重要です。
上司と部下は、職場で、話したり、判断を仰いだり、相談したりを、日常茶飯事のように繰り返しています。今回、紹介したほかにも、コミュニケーションをアップさせる方法はありますが、まず最初に今回取り上げたことを実践することにより、コミュニケーションがかなり向上していくと思います。どうぞご参考にしてください!
さくら労務管理サポートオフィスでは経営者様や管理職の方の悩み相談やコーチングも行っております!
また、会社の労務管理や、社員育成・人材育成などでお悩みの経営者の方は遠慮なくご相談ください!
当サイト管理人は、当Webサイト上のコンテンツの内容に関しいかなる保証もいたしません。当Webサイトに掲載されている情報に万が一誤りがあった場合、または当Webサイトを利用することで発生した、もしくは発生したと推察されるトラブルや損失、損害に対して、当サイト管理人は一切責任を負いません。予めご了承ください。